感動を生む店員の姿

優しさに溺れるほど

 優しさに溺れてしまうという表現をしたいほどの感動の連続が数時間でおきました。
 群馬県に所用があり車で出かけた時です。以前から画材屋さんで欲しいものがあったので、少し早めに自宅を出て高崎市内の画材屋さんを訪ねました。

 オーブン粘土が欲しかったのです。一軒目の画材屋さんを訪ねました。店員さんに「オーブン粘土はありますか?」と聞くと、粘土がおいてある棚に案内をしてくれましたがその粘土はありませんでした。「しばらくお待ちいただけますか」と。店員さんはお店の奥に入り在庫を調べてくれたのです。「お客様、申し訳ありませんが、現在取り寄せ予定がないのです」と伝えてくださいました。

 ここで店員さんとの会話が終わると思ったのですが、驚くことに、「お客様、この先に手芸店があります。そこにあるかもしれません。今、地図をご用意いたします」と言うのです。その地図はインターネットで調べ、そのお店から手芸店までの経路と時間がわかるものをプリントアウトしたものでした。さらに、「手芸店にお電話してみましょうか?お客様が訪ねて、その粘土がないと申し訳ないですから」というのです。驚きました。
 「まずは行って見ます」と返事をしたのですが、その方はお店の前まで一緒にきて、「お客様、そこに見える道を左に行って…、」と案内をしてくれたのです。

 感動はさらに起きました。紹介をしてくださった手芸店。地図のおかげで迷うことなく着いたのですが、ここにも欲しい粘土がなかったのです。店員さんに尋ねると、在庫を調べてくれました。そして、現在はその粘土は置いてないということがわかりました。
 「ネットで買うしかないのかな」と思っていると、店員さんが、「市内にもう一軒手芸屋さんがありますが行ってみますか?駅の向こうなのですが」と。
すごいです。二軒とも、こうして次の店を紹介してくれたのです。地図とお店の名前を教えて頂きました。「実はお客様、この店はうちのライバル店なんですよ」と笑いながら言うのです。
考えれば同じ市内にある手芸店、でもそこならあるかもしれないと教えてくれたのです。

三軒目に行きました。あまりにも大きなお店で、粘土がある通路もわからず店内をウロウロしていると、「何をお探しでしょうか?」と店員さんが声をかけてくれました。粘土のコーナーに行くと、そこには欲しい粘土がありました。

粘土が欲しいという私一人の思いを、こんなに何人もの方が繋いでくれたのです。きっといつもお客様サイドで考えているお店ばかりなのでしょう。


三軒とも高崎市という同じ市内にあるお店での出来事です。
丁寧な言葉で「申し訳ありません。本店にはおいてありません」で終わるのが多くのお店です。
来店者の思いをここまで共感し、一緒に探してくれる、しかも同じ市内での3店が。

人は本当の優しさに触れた時、涙が出るほど感動します。

仕事とは、感動を生み出す営みなのかもしれません。

2019年08月03日